1. 原因
肩や手を衝いて転倒した時に発生することが多く、ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツでは発生頻度の高い骨折である。
2. 症状
骨折部の腫脹(腫れ)、変形、ピンポイントの痛み(限局性圧痛)は著明である。
腕の運動制限(拳上や外転)なども著明に確認できる。
受傷者は痛みを緩和するために頭を患側に傾け、患側の肩は下垂し、その肩幅は減少している。
主な骨折部位は中外1/3の場所で、この骨折の80%を占める。
3. 治療
まずは整形外科を受診し、どのような骨の折れ方をしているかを確認する事が大事になります。
小児(中学生以下)の場合は不全骨折の割合が多く、また少年期(中・高生)までは変形していても骨の修復力が旺盛なので自家矯正が期待でき、手術をしなくても良い場合が多くなります。
しかし、骨のズレや破片が出て神経・血管などを圧迫する場合などがあれば手術適応になる場合もあります。
また、当院では早期に骨癒合を促すLIPS(超音波)治療や、肩関節の拘縮を予防・除去するために鍼灸治療やマッサージ、運動療法(リハビリ)を行っています。
4. 合併症・併発症
・肩関節拘縮。長期固定により、特に中高年以降の受傷者が多く併発する。
・過剰仮骨や変形による、神経・血管障害(腕神経叢、鎖骨下動脈)
・変形治癒、偽関節。女性の場合、美容上の問題となるが特に機能的な問題は少ない。
・まれに胸膜、肺損傷を起こし気胸・血胸を合併する事がある。
5. 予後
基本的に日常生活に問題を起こすことは少ない。
しかし長期固定を行った場合では、関節の拘縮や筋委縮を残す場合が多い(特に中年以降)
ことから、固定期間は肘関節周り、固定期間終了後は肩関節周りの運動療法(リハビリ)を積極的に行った方がよい。
骨折の程度にもよりますが、固定期間は1~2ヶ月。スポーツ復帰は受傷後3か月以降。
ラグビーなどのコンタクトスポーツは6か月程度以降となります。
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